要点まとめ
- 10月の仮想通貨市場暴落で、価格急落に伴いマーケットメイカー(市場流動性提供業者)のコイン在庫が膨らんだ。
- 在庫増加でリスクヘッジ(価格変動リスクを抑える取引)を優先し、新規注文が控えられた結果、流動性(売買のしやすさ)が低下。
- 流動性低下はスリッページ(約定価格のずれ)拡大や取引スピード鈍化を招き、取引コスト増加につながっている。
ニュース本文
BitMEXが発表したリサーチレポートによると、10月に起きた仮想通貨(暗号資産)の大幅下落で、ビットコインやイーサリアムなど多くのコインがマーケットメイカー(市場流動性を提供する取引業者)の在庫(積み上がった保有量)として大量に残りました。価格が急落すると、マーケットメイカーはヘッジ(価格変動リスクを抑える取引)を優先し、自社の在庫処分やリスク管理に注力するため、新規の注文を受けづらくなります。その結果、取引板(オーダーブック)に並ぶ買い注文・売り注文の数が減少し、流動性が低下しました。
流動性が低い市場では、大口の売買を行う際にスリッページ(注文時の希望価格と実際の約定価格の差)が発生しやすく、取引コストが上昇します。BitMEXは、こうした流動性低下が市場全体の取引スピードを鈍らせ、参加者の裁定取引(異なる市場間の価格差を狙う取引)や機関投資家の売買活動を制約すると指摘しています。
また、同社は過去の急落局面でも同様のパターンが確認され、板薄の状態では大口売りがさらなる価格下落リスクを招きやすいと警鐘を鳴らしています。マーケットメイカーの在庫水準が高いままでは、取引量の回復に時間がかかる可能性があるため、投資家は市場の流動性動向に注目する必要があります。
編集後記
急落後はマーケットメイカーの在庫残高が流動性の鍵を握ります。板状況が薄い市場ではスリッページや取引コストが増加しやすいため、注文前にオーダーブックの厚みや取引量を確認し、リスク管理を徹底しましょう。
原文公開日: 2023年11月1日
原文URL: https://blog.bitmex.com/octobers-crypto-crash-left-market-makers-stuffed-with-coins-slowing-trading

コメント